カテゴリー「寺子屋「せ・ら・ぎ・ね・ら」」の8件の記事

2015年1月 6日 (火)

ベランダのイワヒバ培養 【7】、【8】

【7】植え替えと肥培

 原則、4~5月に一回り大きな鉢へ植え替えます。4~5月はイワヒバの活性が高いので、株分け(根塊を割く行為)や葉刈りなどの荒療治ができる時期といえます。
 もし植え替えだけを考えるならば、養生が難しい7、8月と活性の低い11、12月を除けば、経験上、特に問題はないと感じます。ただし秋の植え替えはあまり根をばらさないようにしています。

 培養土は、硬質鹿沼土の単用(大粒、中粒、小粒)を基本としています。やや保水性のある硬質赤玉土(小粒)を表土に用いることもあります。元肥は、植え付け時にマグアンプ大粒を鉢底近くに。効力の持続期間に応じて有機肥料やIB化成肥料を置き肥として利用しています。置き肥は8月でストップしています。

 ベランダの置き場不足の対策として、植え替え時に鉢を大きくしないで済ませる方法を幾つか記載してみます(少し外れたやり方であり、あえて推奨している方法ではありません)。
 「鉢サイズ現状維持」の植え替えは問題ありません。土と肥料が新しく置き換えられ、十分なリフレッシュ効果があると思います。
 「根鉢(鉢から抜いた根と土の塊)を崩す」という方法があります。ピンセットでつついて崩したり、軽く何かに叩きつけると根鉢は小さくなりますので、大きな鉢を利用しないで済ませることが出来ます。根鉢を水中に入れて微塵や土を取り除くという方法もあります。根を洗う事についてはいろいろな意見があるようです。率先して行うという意見や、毎年やるのは好くない、秋にやるのは好くないといった意見です。このさじ加減は株の大きさや勢いを見ながら経験を積んでいく必要がありそうです。
 「根を切り詰める植え替え」は原則お勧めしないのですが、鉢サイズを縮小するためにやむを得ず実施する場合があります。その時は、根を詰めると同時に葉丈の3~4割の長さを葉切りして全体的に刈り込んでいます(無駄な蒸散作用を抑える)。葉切りした年とその翌年はみすぼらしいと思いますが、頑健な品種は問題なく復活すると思います。実施時期は5月の梅雨入り前。以降の培養は、養生させるために肥料少なめ、弱めの中日以下が無難と思います。 
 「ずぼらな植え替え」として、汚れた表面の土だけ替えるという方法があります。表土を清潔にして水はけを良くし、置き肥を足すというやり方です。部分的なリフレッシュをねらった方法であり正確には植え替えと呼べないかもしれませんが、全く何もしないよりも効果はあります。

【8】ベランダでも培養が出来る品種(一例)

 これは私が体験したベランダ培養の一例です(2階、日照9:00~14:00)。特に小苗を中心とした培養体験を基にして参考として載せてみました。各々のベランダの環境によっては、当てはまらない可能性があることをご承知おき下さい。

・比較的うまく培養が出来た品種(○~◎)
「鳳冠」、「福寿」、「銀星冠」、「菊水殿」、「古金襴」、「玉宝」、「泉獅子」、「夕映」、「中国之華」など

・培養可:ある程度の色や芸が楽しめる品種(○)
「楊貴妃」、「花車」、「春日錦」、「鸞鳳」、「鏡獅子」、「麗峰」、「龍之王」、「都ノ華」
「雲仙」(及びその系統)、「雲井鶴」、「白王」、「喜泉冠」、「紅芳殿」
「紫玉」、「金麒麟」、「牡丹冠」、
「駿河錦」、「姫古金」
「金龍」、「紅王龍」、「美薗ノ華」
「黄王冠」、「富貴殿」
「墨獅子」、「黒光殿」、「紅孔雀」、「茜錦」、「屋久島」
「高砂」、「銀世界」
など

・培養可:綺麗な色や芸を出すのが難しいと感じた品種(△)
「玉織姫」(及びその系統)、「白晃麒麟」、「九重錦」、「明星」、「紫金襴」、「御所錦」、「金牡丹」、
「栄獅子」、「黄真龍」、「黄金ノ華」、「黄金鶴」、「黄牡丹」
「守門龍」、「双龍」
など

※ 斑のりの良い品種は、日照時間の少ないベランダ環境でも色を出してくれるようです。また、日焼けしやすく培養が難しいと言われる品種も、ベランダの環境に慣れれば十分育てる事が出来るように思います。

※ 萌黄葉類は概してライムグリーン主体の色合いになる印象です。日照時間が少なくても鮮やかな黄色を出しやすい品種を探すのも楽しいかもしれません。

※ 「玉獅子」や「黒牡丹」の系統、「青玉牡丹」、「墨獅子」などはベランダの環境下では、気難しくなる印象があります。庭(地面)の棚に移動すると、日照時間が同じでも調子が良くなりますので、ベランダでは工夫が要りそうです。階上のベランダで起こりがちな、「風がよく当たる」、「低湿度」、「雨があたらない」といった要素をうまくコントロールすることがキーポイントになりそうです。
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 以上、4回に渡って「ベランダのイワヒバ培養」に関して気付いた点をまとめてみました。

 偏った体験で書いてしまった部分がありますし、試行錯誤をして改善出来る部分もあったと思います。そんな内容ではありますが、これからベランダでイワヒバ培養を始める方の参考情報になれば幸いです。
20131208veranda

---- 「うちはベランダしかないけれどイワヒバを始めてみようかな?」という方が一人でも多く増えることを願って ----

あかぴょん

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2015年1月 5日 (月)

ベランダのイワヒバ培養 【5】、【6】

【5】病害虫など

5-1.病気と薬剤散布
・葉が灰色あるいは薄茶色になって広がっていく
・張りが無くなってフニャフニャしている
等、他の元気な葉と明らかに色が異なり、成長が止まっている(丸まっている)場合、病気を疑います。発生時期は、気候が暖かい/暑い、と感じる5~10月(特に梅雨から夏場)に多いと思います。
  私は、リゾレックス(500~1000倍希釈)+ベンレート(1000~2000倍希釈)を利用しています。それでも効かない場合はダコニール (2000倍希釈)を使います。鉢数が増えてくると密植状態になりますので、感染も広がり易くなります。定期的あるいは予防的に散布して病気を防ぐことが良い結果をもたらすようです。
 薬剤散布は、鉢数が100~200鉢でしたら4~5L程度の噴霧器があると楽です。散布は夕方から夜に行います。真夏の炎天下に行うのはNGと思います。

5-2.ヨトウムシ、ネキリムシ系の食害
  成虫は蛾です。イワヒバの葉に卵を産みつけて、幼虫が土や根塊の中に潜みながら葉を摂食して成長しています。ベランダ培養でもこれらの食害はあります。新しく手に入れた鉢に幼虫や卵がついてくるケースや、2~3階ですと夜の明かりにつられて成虫が飛んで来るケースがあります。5~6月や9~10月はよく見かける気がします。進入を完全に遮断することは難しいようで、定期的あるいは予防的な駆虫薬の散布が良い結果をもたらすようです。薬剤はオルトランで十分と思います。終齢幼虫になると薬効が鈍ると考えられ、食害に気付いてから撒くよりも予防的に撒くのが良いと感じます (私は顆粒タイプを使っています)。今のところ、オルトラン耐性の虫が出て問題になったということは体験していません(鉢数が多くないことも一因かもしれません)。※ 釜爺様から、「カルホス」は有効ながらも成分の毒性が強いので飛散や残留を考えるとマンションでの利用はお勧めしない、というアドバイスを頂きました。

5-3.アリ、ナメクジ
 イワヒバに直接的な害は無いと思います。しかし、隣のベランダにアリやナメクジが伝っていくのは困りものです。鉢と共に外から持ち込んで来る場合もあります。オルトランやナメクジ駆除剤などを利用しているとそのうち出没しなくなります。有機肥料はナメクジやハエを引きつけることがあります。表土からちょっと埋め込んて隠したり、オルトラン顆粒をまぶすことで対応出来ます。

5-4.雑草
 ベランダは雑草が比較的入り込みづらい環境です。たまに綿毛が飛び込んで生えてくることがあります。「雑草の芽が生えているのを気づいたら抜く」を繰り返すと、雑草が一本も無いイワヒバ棚を作ることは困難ではないと思います。

【6】休眠と蘇生

6-1.休眠
  霜がおりない街中のマンションでしたら、水やりを続けると休眠せずにそのまま春を迎えられそうな気がします。しかし、自然の摂理に従って一度休眠させることをお勧めします。冬期になると、成長は殆どしていません。紅葉も進みきって、地色の緑色の部分も赤茶色か灰茶色になっていると思います。ベランダ培養でも12月には水を切って、休眠させるのが良いと思います。室外機の風が当たらない場所に収納します。棚の下にスペースがあると休眠したイワヒバを置くことが出来ます。

6-2.蘇生
 春に桜が散り始めた後の雨の日に合わせて水やりを開始します。特に数日雨が続くよう な折に外に出すのが吉。ベランダでは雨が殆ど当たりませんが、雨天時は空気中の湿度が高いので、葉が開く条件が整っています。殆どが小苗、中苗だと思いますので、 数回水をあげるとすんなり蘇生すると思います。裏技としては、浴室を利用する手があります。イワヒバを運び入れ、湯船にお湯を張った浴室の換気を止めて湯気がたちこめた状態をつくり、シャワーでイワヒバにぬるま湯をかけ、扉を閉めて一晩放置します。すると翌日はすっかり開いています(同居人の了解は必要です)。

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2015年1月 4日 (日)

ベランダのイワヒバ培養 【3】、【4】

【3】雨と風と湿度

  日照と共に重要な要因として湿度があると思います。過湿は良くありませんが、ある程度の湿度は必要です。ベランダの軒下培養でも雨天の日は空気中の湿度が高いので、イワヒバは気持ち良さそうに芽を伸ばし、実際に梅雨時期(6月)はよく成長しています。逆に湿度が足りないと成長にブレーキがかかります。雨にあたり続ける環境(庭、地上)のイワヒバに比べると、ベランダ培養ではイワヒバの成長が7~8割程度に抑えられている気がします(私個人の体験)。ベランダの環境下において、成長や斑のりの抑制はある程度受け入れざるを得ないようです。
 ベランダ培養で雨に当たらないことが逆に利点になることもあります。保水量がコントロール出来るので蒸れが起こりづらいと思います。過湿に弱い品種(中国之華など)には良い環境かもしれません。また大雨や長雨は肥料を溶け込ませる作用を促進します。このことは富栄養化や肥料の持続期間の短縮につながりますが、ベランダ培養ではそういった動きが遅れます。結果として表土を覆う藍藻や雑菌の増殖が鈍り、土の汚れ方も遅くなるように感じます。

 棚周りの湿度について考えると風も重要な要因になってきます。例えば気温が同じでも、風の強い日は鉢がすぐに乾きます。置き場における風の頻度と強さも重要になってきます。風は不要なのか?と問われたら私の考えはNOです。蒸れを取り除き、淀んだ空気を一掃するには風が重要です。地域や季節によっ て特有の風があり、また時間帯によって吹く風もあります。ベランダでは風の影響を大きく受けるので、状況を把握していると水やりの戦略が楽になります。風の対策といえば、台風や季節の変わり目(5月や11月)に強風が吹くことがあるので、小鉢や重心の高い鉢が転がらないよう注意する必要を感じています。

  ベランダはコンクリートで四方を囲まれているので湿度を生み出すものがありません。真夏に冷房をつけている時は室外機から熱風が出るので拍車がかかります。室外機の位置や風の出る方向を変える必要が生じます。水気を保持して湿度を維持するには、木製の棚にする、棚の上にカーペットや人工芝を敷く、スイ レン鉢を脇に置く等は良いかもしれません。鉢の数を増やして棚を埋め尽くす、というのも一つの有効策ではありますがcoldsweats01、イワヒバの深みに益々はまっていくことを覚悟する必要があるでしょう(フフフフフ)。

 雲が浮かぶぽかぽか日和の五月の折、水を撒いた後に時折そよ風が吹くような日はイワヒバも気持ち良さそうに見えます。

【4】水やり

  土が乾いたら夕方か夜に行います。乾燥の早い夏期は早朝に水やりをすることもあります。炎天下の水やりは避けています。なお、曇りや雨などで土がまだ十分湿って いる日は水をあげません。あげすぎよりも、ちょっと乾き気味な水やりが良いと感じています。早春や晩秋は逆に日が昇ってから(気温が上がってから)水やりをした方が、イワヒバが凍えず好ましいように思います。
 過度の水やりは肥料を溶け込ませる作用を促進します。土中の栄養状態や、肥料の持続期間に影響することになります。

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2015年1月 3日 (土)

ベランダのイワヒバ培養 【1】、【2】

 昨春に新居に移って雨にあたるバルコニーでイワヒバ培養を始めるようになりましたが、それまでの一般的なベランダ(軒下)培養でそれなりに得た経験があるのでちょっとまとめてみました。4回に渡ってアップしてみようと思います。

まえがき

 イワヒバの培養は、気をつける点が分かればマンション、アパートのベランダでも、気軽に始めることが出来ます。私はサラリーマンをしながら6年ほどベランダでイワヒバを培養してみて、意外と出来るものだなと実感しました。出張や旅行で家を長く留守にしても枯れません。冬に休眠があるので維持管理にメリハリが生まれ、気持ちに余裕も生まれます。ベランダで園芸を始めた当時は盆栽や花物も世話をしていましたが、結局のところ、魅力と管理の点でイワヒバが中心になってしまいましたcoldsweats01。今回ご紹介するのは、私が体験したベランダ(軒下)培養の一例です。あらゆるベランダ培養に当てはまるものでは無いかもしれませんが、気軽にイワヒバのベランダ培養を始めてみたい方の参考になるかと思い、書き綴ってみます。

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 ベランダで園芸を始める多くの場合、上下左右の部屋に人が住んでおり、雨の当たらぬ軒下培養になると思います。庭(地面)の培養よりもハードルが高そうに見えますが、決してイワヒバの培養が出来ないということはありません。最初は、「枯れさせない、傷めない、維持する」を当面の目標にして、「自分の棚の環境を知り、イワヒバの好む環境を知る」ことが第一歩かと思います。その後、コツを掴んでくると「もっと上手に培養してみよう、綺麗なイワヒバを作ってみよう。」という余裕(=欲求)が出てくると思いますcoldsweats01

【1】ベランダの環境

・家族の理解を得る。布団や洗濯物干し場の確保、見た目など。
・お隣や階上、階下に影響は出ないか。水撒きや薬の散布、薬や肥料の臭い、落ちた枯れ葉やゴミの行方など。排水口には土や枯れ葉が流れていくので、詰まらないようたまにチェックする必要があります。
・鉢数が増えるとホースが必須。風呂場あるいは台所の蛇口にホースをつなげられるようにする。

 マンションのベランダで全日採光可能の条件は厳しいと思います。日照時間は長いに越したことはありませんが、5時間程度あればだいたいの品種は枯らさずに育てる事が出来ると思います(美術品に仕上げるには相応の環境とウデは要りますので、ここではそこまで触れません)。南向きであることは吉。日向の面積は季節と共に変化します。夏期は日が高くなり、射し込む角度がきつくなるので、日向の面積が減ります。綺麗に育てようと思うと、いかに日光に長く当てるか(=その時期に日向はどこまであるのか知る事)が重要と思います。

(主な注意点)
階数:低層階の方が良いと思います(地面から来る湿度があり、夜露がおりる)。高層階になる程、風が強く乾燥しやすいと感じます。夏は蒸れにくい利点もありますが、秋から冬に葉先がいじける傾向を感じます。風や湿度については別項目で。

ベランダの壁:最近は全てコンクリになっていると思いますが、柵になっているタイプは雨、風が入ってきます。これを良しとするか悪しとするかは判断が要ります。風と湿度の対策が出来れば、どちらでもいいと思います。私は環境をコントロールしやすいという点で、柵の隙間(風の通り道)を塞ぐ、に1票投じます。

棚:何でも良いのですが、水や直射日光に耐える素材が良。ベランダ床面に直置きではなく、ある程度高めにすると採光し易くなります。棚を作ると、冬場は棚の下に休眠期のイワヒバを収納することが出来ます。棚を高くすると乾燥が幾分早くなると思います。ベランダの壁より高くする事はお勧めしません。小さな鉢は台風の時に飛んでいく怖れがありますcoldsweats02。室外機の前は、常に風が当たるので凶。室外機の上に巻柏を置くのはOK(日向であれば)。

作業場所:ベランダで出来れば問題ありません。ベランダで出来ない場合は、風呂場もしくは台所になります。同居者の理解を得て、散らかる土や枯れ葉ゴミの対策をしっかりする必要があります(雨の日も、寒い日も作業出来るのは利点)。

鉢のサイズと数:ベランダ培養では基本的に小苗、中苗が中心になると思います。なお、毎年植え替えをすると鉢のサイズは大きくなります。イワヒバに夢中になると鉢の数も増えます。置き場問題はイワヒバ愛好者について廻るようです。利用する鉢は5号以下に抑える、といったような自分のルールを決めておかないと後で大変になりますbearing

【2】日照、遮光、日焼け傷害

 日照時間は長く採りたいものの、ベランダ培養では限界があります。一方向から日光が差すので、たまに鉢を回転させると吉。また、置き場不足や季節によって日陰に入る株が出て来た場合は、日向にある鉢と入れ替えるなどの工夫が要ります。

 私の6年間のベランダ軒下培養の体験(日照9時~14時)で、実は日焼けによって再起不能になった例がありません。一部の弱い品種は葉焼けに気をつけていましたが、殆どの品種は寒冷紗無し(無遮光)でも問題がありませんでした。また、弱そうな品種でもベランダ培養の環境に数年慣れてくると無遮光でも問題が無くなりました(「龍之王」も)。私個人のケースなので言い切ることは出来ません(九州と東北でも異なるでしょう)。もし余分な苗があるようでしたら無遮光で一夏来させてみるのも良いかと思います。下葉が若干落ちても、芯(中心部の芽)がしっかり生きているようでしたら、来年は無遮光環境に慣れた葉として伸長が始まると思います。

 日照時間が同じ5時間でも、「午前中に日がよく当たり、午後、気温が上がりきらない内に日陰に入る」ケースと、「午前中は日陰で、昼過ぎから最高気温に達するところで日向に突入する」ケースでは、前者の方が好ましいと思います(特に真夏)。気温や湿度のバランスにも留意する必要を感じています。

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2013年9月15日 (日)

巻柏の挿し芽と鉢上げ

 秋雨の時期に入ると、(我が家の環境の場合)、巻柏がまた成長を始めます。その成長期を見計らって、挿し芽苗の鉢上げをしてみました。
2013sep_gomibukuro
<私のインスタント挿し芽方法>
(1)5、6月頃に病気の出ていない元気な若い株のやや下葉(古い葉)の葉先数cmをピンセットで取る。
(2)採取した葉を、規定量で調製したベンレート液に漬けておき(念のための殺菌)、次の準備をする。
(3)ふるいをかけて微塵を取り除いた鹿沼土の中粒と小粒を、それぞれ3:7位の割合で混ぜたものを用意。
(4)数cm程度の深さの浅い平鉢に、半透明なビニル袋(ゴミ袋やスーパーの袋)を適当な大きさにして敷く (袋には水抜け用の穴は開いていません)。
(5)土を袋の中に必要量入れる。
(6)袋を取り出し、水を入れて十分湿らせる(先ほどのベンレート液でも良いと思います)。
(7)水を捨てます。完全に水を切るよりも、ちょっと位残っていた方が、湿度維持には良いかもしれません。
(8)袋を鉢に戻し、土を平らにならします。
(9)先ほど採取した葉先を並べます。
(10)袋の口を縛り、戸外の日陰に置いておきます(直射日光があたると、内部が高温になって蒸れるので枯れてしまうと思います)。
(11)このまま2ー3ヶ月放置!袋の口は開けません。

2013sep_hatsuga
(12)6月にスタートして、この9月中旬に開封しました(約3ヶ月)。これまで私がやっていた散水しながらの管理方法では、土が黒ずんだり、親葉が腐って溶けるケースがありました。今回の方法はなかなか満足のいく成績でしたconfident
 ※この品種は「金麒麟」のような品種で、成長が遅い部類です。挿し芽後の発芽・発根の成長が遅いタイプは失敗経験が多くて私には苦手意識がありました。

2013sep_nehari
(13)葉元をつまんで持ち上げると、このように根が鹿沼土を掴んでいるので、ゴソッと持ち上がりました。

2013sep_sashime_nae
(14)回収した挿し芽苗。親葉が黒ずんだものは、後に病気・カビの蔓延のおそれがあるので今回の鉢上げ対象から省きました(なんて思いながら、せっかく発芽したので1枚残してみましたけれどdelicious)。乾燥防止のために、作業中はたまに霧吹きをかけました。

2013sep_hachiage
(15)鉢上げした挿し芽苗です。新しい鉢に鹿沼土の中粒を敷き、先ほどの苗を(根が掴んだ土ごと)載せて、隙間に小粒の鹿沼土を入れました。その後、鉢の肩までどっぷりと水につけて、葉の位置や向きを整えました。

 今回はここまでです。実はここからの管理方法にまたコツがいると思うのです。

 秋雨の時期は湿度が高いので良いのですが、寒くて乾いた風が吹き始めるとベランダ培養をしている私は四苦八苦するのですbearing。試行錯誤しながら、良い結果が出たらまた記事で紹介したいと思いますup

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 毎年挿し芽をされるベテランの方々は、寒冷紗下に挿し芽床をずらりと並べると思いますが、マンション住まいでウデがつたない私からするとこれ位のスケールがお手頃ですcoldsweats01

 この方法はF 様から教えて頂いた方法で、いつかやってみようと思っていました。そして、「あ、ホントだ。いけるかも!」と思うきっかけになった体験が二つあります。

その1: 雑草除けに庭にブルーシートを敷いている巻柏愛好家の方々が何人かいらっしゃり、以下の話を聞きました。「シーズンを終えてブルーシートを外すと、シートの下に落ちた巻柏の葉から芽が出ているんだな。」

その2: 私の実体験。春先の植え替え時期に古い土が生じるので、それらを貯めてゴミ袋(45L)に入れてベランダに放置していました。1ヶ月位した後(coldsweats01)、その土を処分するときに何気なく袋の口を開けたところ、古い土と一緒に混入していた葉先から、まさに色とりどりの苗がうじゃうじゃ生えていたのです。思わず「おぉー!。」と声をあげてしまいました。

 特に”その2”の体験は、この挿し芽方法の確認と共に、私に要領(コツ)のようなものを与えてくれました。

・置き場所は日陰である
・半透明ビニルという柔らかい光を感じさせている
・袋の中に水滴がつくような湿度条件で良い
・袋の口を開けて換気する必要はない、水が抜けるための穴は不要
・綺麗に並べなくても、葉先が浮いていても、根が伸びて鹿沼土を掴む旺盛な生命力がある(増殖目的ならば綺麗に並べた方が、その後の鉢上げが楽になるとは思いますがcoldsweats01)。
・微小粒よりも小粒や中粒の鹿沼土に対して、太い根がガッシリ掴んでいる傾向にみえる。
・品種によって発芽するまでの期間や発芽後の成長のスピードが異なる(当たり前かもしれませんcoldsweats01)。その品種が成長の遅い品種ならば袋で縛っている期間を長めにとって良いのではないか、と。
 それで梅雨時期に播いて、秋雨で開けるといった感じに致しました。なお、このまま来年まで放置してみたらどうなるのかは確認していませんcoldsweats01

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2011年5月 7日 (土)

イワヒバの仲間(イヌカタヒバ) 全ゲノム解読

これはビッグニュースだと思うのです。今日ネットのニュースで見つけた記事です。
↓↓↓

シダのゲノム初解読=植物進化解明や農業応用期待

 全ゲノムが解読されたのはイヌカタヒバ Selaginella moellendorffii というイワヒバ科のシダ植物です。我々が古典園芸植物の1つとして愛培している「イワヒバ」Selaginella tamariscina という学名を持っています。 ちなみに最近紹介しました復活草こと「テマリカタヒバ」Selaginel lalepidophylla という学名でこれらは皆、同じセラギネラ属に属しています。イワヒバ園芸を楽しんでいる私としては、セラギネラ属のイヌカタヒバが対象とされていたことには感慨深いものがあります。

 さて、シダ植物という植物界の大きな分類のくくりで全ゲノム解読が初めてということは、今後、遺伝子の情報が明らかにされていく中で、大変興味深い情報に巡りあうものと思われます。例えば、進化学的観点で眺めると、それまで”外環境の水”に頼っていた植物が維管束を形成し、陸上に上がって棲息する術を獲得するという過程を示唆してくれると思います。一方、応用的観点で眺めると、イヌカタヒバの遺伝子情報のうち、その特性である耐寒性、耐乾性、トレハロースの合成やその利用に関する機構を制御する遺伝情報は、農産物の品種改良などに貢献しうるものと思われます。なんといっても”イワヒバの仲間”ですから、その休眠と覚醒、温度や湿度に対する順応性(抵抗性)が明らかにされたら、さぞや痛快なことと思います。

 ちなみに今回全ゲノムが解読されたイヌカタヒバは、我らがイワヒバSelaginella tamariscina と同属(同じ仲間)ですから、イヌカタヒバで判明した遺伝情報を、同じようにイワヒバを用いてトレースすることは手技的に極めて容易だと思われます(=遺伝情報がかなり似通っているはずなので、種間で保存されているような共通配列を検索してプライマー作って、PCRでホイですね)。後は、そういった作業をイワヒバを使ってやって下さる方がいるのかどうかが、我々イワヒバ愛好家の気になるところでしょうか??

ここでイワヒバ好きのあかぴょんの私欲を叫びます。

 「イワヒバ愛好家は園芸の過程で葉芸(葉の変異)や多彩な紅葉を楽しみます。それらを制御する遺伝子情報を是非とも突き止めていただきたい!!。」

 いずれ蘭や薔薇のように、フラスコ培養で品種改良する日が来るのでしょうか???盆栽が海を越えたように、江戸時代から続く日本の園芸文化「イワヒバ」が国際的に脚光を浴びる日が来たら、これまた痛快ですよね~。

 今回の研究グループは、日本の5研究機関を含む日米欧など10カ国の研究者で構成されているそうです。さらに発展型としてイワヒバを用いてlovelyどなたか手をつけて下さらないでしょうか~lovely

 まぁ、夢は大きく語るのが良いということで、言いたい放題書きました。

 実際のところ、イワヒバは葉の形質に変異が起こりやすく、交配によって苗を作りづらい植物だと思うので遺伝情報を基に固定品種を作出するのは難しいのかなと思っています。むしろ、今ある株の親判別や、ある株があったとしてその株から生じやすい形質を予測する道しるべとして遺伝情報が利用できるのかな~と思っています。後は培養方法の改善と品種の保存技術に繋げられるのかな、、?私見です。

 本題と関係ありませんが、私、実はイワヒバの仲間のゲノム情報がいつか解読される!と前にブログ上で記事にしていたんですよ。今日、ついにそのニュースを目にした訳です。感慨深いな~・・・。

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2009年7月24日 (金)

イワヒバと夏場の水やり

初心者の私がこんな題名で書くのは気が引けるのですが、初心者ならではの私が陥ったトラブルや体験を基に、お役に立つこともあればと思って書いてみます(なお、ベランダ培養をしている私の体験を基にしているので、お庭(地上)での培養環境に当てはまらないこともあることをご了承下さい)
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 盆栽の教科書には「水やり3年」という言葉があるように、たかが水やりと思って侮っていると痛い目を見てしまいます。特に日本の梅雨時期から夏の猛暑は鉢植えの植物にとって過酷な環境と思われます。

続きを読む "イワヒバと夏場の水やり"

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2009年6月13日 (土)

お勉強も大事みたいです せ・ら・ぎ・ね・ら

 お勉強なんて堅いことは言いません(好き勝手書くことができるブログにまでお勉強なんて~)。でも好きな子のことはいろいろ調べたくなる、そんな感情で、管理人も「お勉強」ということにしてイワヒバ子ちゃんのことを調べちゃえ、というノリで新しいカテゴリーを作ってみました。でも、管理人あかぴょんは、大学の農学部のような場所で専門的に”植物”を学んだ訳でもなければ、園芸や造園等の仕事をしている訳でもありません。趣味ではまっているだけです。最近ではストーカーという言葉もあるみたいですね。なので、片思いな管理人のメモ帳程度で書いていく予定です(続くかどうかも分かりません)。私が勘違していることや、違う説もいろいろあると思いますので、これを読む方がいらっしゃいましたら、そいういった前提でお読み下さいませ。

 イワヒバ子ちゃんを世界共通語で表すとSelaginella tamariscina (学名)だそうです。無理に日本語にしてみれば、せらぎねら・たまりしな、でしょうか。ちなみに、この「巻柏酔い」のHPのURL (http://selaginella.cocolog-nifty.com/blog/) にも selaginella が含まれているのはそういう意味なのです。
 私が好きなイワヒバ子ちゃんは、イワヒバ科イワヒバ属に分類されるそうで、この仲間には他にもカタヒバ、クラマゴケの仲間が含まれるそうです。たしかに葉のつくりが似ていますねぇ。
 観葉植物のコーナーに西洋イワヒバという名前(あるいは”セラギネラ”というそのままの片仮名で)の植物が売られているのを見かけました。セラギネラという名前そのものは属名なので、種の名前ではないはずですが、セラギネラの仲間ということでそのまま流通してしまっているようです。ちなみにこの西洋イワヒバ(セラギネラ)は、葉肉が厚く、深緑からライムグリーンのバリエーションがあるようで葉に光沢感があり、クラマゴケ系のように伸長するタイプのようです。が、やはり私は、放射状に葉が展開し、根塊が年月と共に立ち上がるイワヒバ子ちゃんが好きでして、しかも、紅葉や葉の形にワビ、サビを見いだして愛培する文化をつくった日本人のDNAが宿っていますので、今後もイワヒバ子ちゃん(Selaginella tamariscina)に熱いエールを送ります。

 世界共通語のSelaginella tamariscinaで学術論文の検索(PubMed)をかけてみました。その結果によると1996年から2009年までの間に27報の論文の情報が出てくるのみでした。一方で、たとえばイネのように、ゲノム情報やらなにやら学問がとっても進んでいそうな植物を、同じように検索をかけると1935年に始まって今日までの間に12,565件の論文の情報が出てきました(検索結果は、2009年6月12日時点)。
 単純な比較をしてはいけないかもしれませんが、人類の食料問題にも直結するイネに関しては、研究対象として大変重要な植物であることや、また品種改良や生理活性も含め、研究テーマも豊富でかつ研究人口も多いということなのだと思います。かたや、イワヒバは本邦において、園芸直物として何百年もの間、愛情と心血が注がれているにも関わらず、研究が進んでいないということになります。う~~ん、もったいない。食料になる植物ではないかもしれませんが(確かに美味ではなさそう)、江戸時代から続く無形文化財産として、日本政府が補助金を出して、もっともっとイワヒバ子ちゃんの研究を進めても良いのではないかと思っちゃったりしているのです。
 さて、ではこの巻柏(イワヒバ)に着目した数少ない27報の論文は、日本人が投稿したものかというと、どうもお隣の中国の研究者(研究機関)が殆どのようなのです(これには本当にびっくり)。日本でもなく、ましてや研究が盛んなアメリカやイギリス、ドイツ、フランスなどでもないのです。そしてその中身はというと、頭の足りない私がざっと見る限りでは、中国の薬草(Chinese Herb)の1つとして取り上げられており、イワヒバ抽出物のヒトに対する医療的利用の試験成績や、薬草としての構成成分の解明が殆どなのです。
 私としては、イワヒバ子ちゃんを漢方薬として利用することではなく、イワヒバ子ちゃんの生活や行動を知りたいのです。なぜ、日照斑が出るの?、どういう条件でより鮮やかな色彩が出るの?、各葉性をコントロールしている情報はないの?などなど。ある大手企業が、青いバラをつくるために長い年月をかけてついに成功させたように、どなたか専門知識を持った方や、イワヒバにベタぼれしてしまった大富豪様が着手してくれないかなぁ、、等と思っていたりしています。
 私のうっぷんを、ちょっとは解消してくれそうなこととしては、欧米の大学や研究機関を中心として「Selaginella Genome Project セラギネラ ゲノム プロジェクト2002~」なるものが立ち上がっていることです。イワヒバ子ちゃん(Selaginella tamariscina)については取り上げられてないみたいですが、同じ仲間のselaginella属のゲノム解読がすすめば、イワヒバ子ちゃんのプライベート情報がばれちゃう(?)日も近づくのかなぁとにやにやしているのです。 

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